BB Tubesとは?
BB TubesとはDAWのエフェクトプラグインで真空管系のサチュレーター(過入力や歪みをシュミレートするエフェクト)です。
前回のMagma Tube Channel Stripの記事の同じMagmaシリーズのサチュレーターです。
今回はプラグインの音の変化を分析するPluginFoxのDDMF Plugindoctor 2を使って解説します。
DDMF Plugindoctor 2 • PluginFox
BB Tubes をプラグインドクターで分析
挿しただけで音が変わる
プラグインドクターを使用した際に気づきましたが、BB Tubesはサチュレーションノブが0でも倍音が付加されていて、デフォルトの何もしない状態でも20kHz以上をハイカットと5Hzあたりをローカットしており、プラグインを挿しただけで音が変わると言えそうです。
以下はONにしただけの状態での周波数特性の分析。
以下同、倍音特性。(原音は1kHzのサイン波)
ONとOFFの聞き比べ。
●BB Tubesなし(OFF)のテスト音源。
●BB Tubesあり(ONしただけ)。
BEAUTY
BB Tubesは2つのサチュレーションノブがあり、”BEAUTY”が偶数倍音を、”BEAST”が奇数倍音を付加します。
BEAUTYについて目盛りを0から上げていった時の周波数解析を動画で見てみます。(※音声は出ません)
目盛り6あたりから変化量が急激になり破綻していく感じですね。次は倍音特性で見てみます。
目盛りが上がるにつれて複数の倍音が複雑に上下しながら徐々に増えていっています。よく見ると原音の低音側の倍音も徐々に増えていますね。
●BEAUTYのみ目盛り6あたりにしたテスト音源。
BEAST
奇数倍音のBEASTも同様に周波数特性から。
BEAUTYに比べ変化量は6以降も変化量は極端ではなくスムーズです。次に倍音特性。
BEAUTYよりは倍音が付加されていく過程に規則性があるように感じます。以下テスト音源。
●BEASTのみ目盛り5あたり。(BEAUTYは0)
BEAUTYよりサチュレーションが強く感じます。
BEAUTYとBEASTをブレンドすると偶数倍音と奇数倍音の特性を掛け合わせることも出来ます。
●BEAUTYとBEASTともに目盛り5。
BASS RELIEF
次に左側にあるBASS RELIEF。BEAUTYのみ5とした状態から周波数特性の変化。
40Hzを中心にカットされていきますが、50を過ぎたあたりから逆に徐々に上がっていきます。この挙動はなんでしょうか。
今度は位相特性も見てみます。
こちらは50を過ぎたあたりに5Hzから位相が極端にマイナスしていて19Hzあたりへ移動します。
次に倍音特性。
倍音は増える場所もありますが見た目上はそんなに変化は大きくありません。変化量はどの特性もサチュレーションの効きを強くすれば強くなる傾向ですね。
以下BEAUTYとBEAST目盛り5+BASS RELIEF目盛り100の音源。
●BEAUTY5+BEAST5+BASS RELIEF100
倍音のボフボフした感じが抑えられて聴感上すっきりしました。倍音の嫌な部分を削る効果でしょうか。
TONE(PRE、POST)
次にTONEノブですが単純にPRE(エフェクト前)とPOST(エフェクト後)にかけるシェルビングEQです。以下周波数特性。
2kHzあたりのシェルビングのようですね。
TRANSFORMER
左下のTRANSFORMERについて。以下画像はBEAUTYのみ5とした状態からON。周波数特性。
同ONにした時の位相特性。
23Hzあたりから下にかけてマイナスしています。公式の説明によるとTRANSFORMERをONにするとローエンドのキャラクターが変化するようです。
その他
左上の”SENSITIVITY”は歪み量のブーストとカット。+(右回り)でブースト、-(左回りでカット)です。
BEASTノブの右側の”TypeA・Bスイッチ”はBEASTの真空管タイプを切り替えするスイッチです。聴感上は目立った差はありませんが歪みの特性が変わりそう。
右下”MIXノブ”はDry(エフェクトが掛かっていない音)とWet(エフェクト音)をブレンドすることが出来ます。ノブ真ん中で50:50。
真ん中下の”OUTノブ”は最終的なアウトプットの音量調整です。
収録プリセットは全部で85。
まとめ
今回は分析ツールのプラグインドクターを使って音の変化を分析しました。音の変化の根拠が可視化されるので理解が深まりましたね、プラグインドクター面白い。
こちらはMagma Tube Channel Stripよりもサチュレーションに特化しており、BEAUTYとBEASTをブレンド出来るのも面白いですね。さらにBASS RELIEFとTRANSFORMER、TypeA・Bスイッチで調整の幅が広がります。特にBASS RELIEFは倍音を高めつつ音の破綻を和らげることが出来るみたいなので調整のキモとなりそうです。
次もプラグインドクターを使って何かプラグインの分析をしてみたいと思います。
よいDTMライフを!
see you!!
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